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2026.07.31

\地域おこし協力隊募集/空き家所有者の“心のボトルネック”を解きほぐす、茅野市の空き家つなぐパートナー

長野県茅野市の中大塩地区は、昭和50年代に造成された住宅団地。首都圏を思わせる整った街並みですが、開発から約50年が経ち、空き家が増え続けています。市内の空き家は約4,310戸、およそ10軒に1軒。しかし多くは比較的新しく、状態のいい物件ばかりです。問題は「売れない」ことではなく、所有者の“迷い”によって「市場に出てこない」こと。「何から手を付ければいいのか」「費用はどれくらいか」——そうした不安を抱える所有者に寄り添い、行政では踏み込みにくい民間事業者の情報を整理して届け、“次の一歩”を後押しする。それが「空き家つなぐパートナー」の仕事です。専門知識は後からで構いません。必要なのは、人の話をじっくり聞く力と、情報と人をつなぐ力。あなたの丁寧な関わりが、一軒の空き家を動かし、茅野の暮らしの風景を変えていきます。

「売れない」のではなく「市場に出てこない」空き家

東京から特急で約2時間半。長野県のほぼ中央、八ヶ岳の西麓に広がる茅野市は、人口約5万人、標高800mを超える高原のまちです。北に蓼科山、東に八ヶ岳連峰、南に南アルプスを望み、蓼科・白樺湖・車山といった全国的なリゾートエリアを抱えながら、縄文遺跡が示す1万年以上の歴史も息づいています。

一方で、市内には別荘等を除く実態空き家が約4,310戸(令和5年 住宅・土地統計調査)。総住宅数約40,920戸のうち、およそ10軒に1軒が空き家という計算です。今回の主な活動フィールドとなる中大塩地区は、昭和50年代に長野県住宅供給公社が住宅団地として造成した、いわば茅野のニュータウン。首都圏を思わせる整った街並みが広がりますが、開発から約50年が経ち、初期入居世代の高齢化とともに空き家が増えています。

多くの人がイメージする空き家問題とは異なり、中大塩地区の空き家は比較的新しく、状態のいい物件がほとんど。東京へのアクセスの良さや移住人気の高さもあり、市場に出さえすれば買い手がつきやすいのが実情です。つまり「売れない」のではなく「市場に出てこない」ことが課題なのです。

その背景にあるのが、所有者の“心のボトルネック”。「何から手を付ければいいのか」「費用はどれくらいかかるのか」「思い入れがあって、簡単には手放せない」——そうした迷いから、動き出せずにいる所有者が少なくありません。10年以上放置された住宅は傷みが進み、動き出すタイミングが遅れるほど、選択肢は解体一択に近づいてしまいます。

こうした状況を変えるために募集するのが、地域おこし協力隊「空き家つなぐパートナー」です。行政でも、不動産会社でも、地区住民でもない、ちょうど“その間”に立つ存在。所有者の悩みに耳を傾けながら、行政が直接紹介しにくい民間事業者のサービス内容や費用感を自ら整理・蓄積し、「こういう選択肢がありますよ」とその場で提案できる専門人材になることが期待されています。

実際に、家族間で意見がまとまらず困っていた所有者とリモートで2時間ほど話したところ、翌年の春から賃貸として活用することが決まった例もあります。また、中大塩地区では空き家を活用した子ども食堂「塩むすびcafe」が2024年12月にスタートし、年間500〜600食を提供。地域の交流拠点として、空き家に新たな役割が生まれています。

空き家問題は、行政やひとつの事業者だけで解決できるものではありません。だからこそ、さまざまなプレイヤーが手を取り合い、重層的にアプローチする必要があります。今回募集する「空き家つなぐパートナー」は、その中でも欠かせない重要なピースです。

必要なのは、“聞く力”と“つなぐ力”

想定している年齢層は30代後半〜50代前半。実家や身近な空き家問題に当事者意識のある方、人の話をじっくり聞ける方に来ていただきたいと考えています。男女は問いませんが、単身の高齢女性宅を訪問する機会が多いという業務特性上、女性の方にもフィットしやすい仕事です(応募者の年齢・性別を限定するものではありません)。

【これだけあればOK(必須)】

・人の悩みに寄り添い、助けたいと思ってアクションできる方
・人の話を最後まで聞ける。急かさない。感情を受け止められる方
・「わからないことはわからない」と言いながら、一緒に調べられる素直さがある方
・地域課題を自分ごととして楽しめる方
・茅野市への移住・定住を本気で考えられる方
・普通自動車運転免許(AT限定含む)をお持ちの方

【あると嬉しい(歓迎・必須ではありません)】
・空き家、移住定住、地域づくりへの関心
・軽作業やDIY、片付けが苦にならない方
・SNS発信や写真撮影、記録が好きな方
・コミュニティ運営や地域活動の経験がある方

不動産の知識もDIYの経験も不要です。前職が何であれ、「人と話してきた経験」「地域活動の経験」「調整してきた経験」はすべて活かせます。大切なのは、知識や経験そのものより「この人に話してよかった」と思ってもらえる姿勢。

なお、短期間で成果を出すことを最優先したい方や、指示がないと動けない方には、じっくり関係を築いていくこの仕事は不向きかもしれません。焦らず、地道に人と向き合える方をお待ちしています。

募集要項

就業場所長野県茅野市役所 都市計画課(拠点)/主な活動フィールドは中大塩地区(茅野市内)
業務内容・空き家所有者からの相談対応、不安や迷いのヒアリング
・市内で活動する民間事業者(買取・片付け・リフォーム等)のサービス内容や費用感の情報整理、所有者への提案
・中大塩地区への週3日以上の入り込み、自治会
・住民との関係構築
・空き家約100件規模の戸別訪問による実態把握、課題の類型化
・「ゆるなかカフェ」など地域の集まりへの参加 ・出前相談会、空き家見学ツアー、片付けワークショップなどの企画・運営 ・活動記録や事例のとりまとめ、地域全体への展開に向けた土壌づくり  
※不動産取引や物件調査そのものは市職員が担当。あなたは所有者の“心のボトルネック”を解消し、次の一歩を後押しすることに集中できます。
必要経験やスキル・人の悩みに寄り添い、助けたいと思ってアクションできる方
・人の話を最後まで聞ける。急かさない。感情を受け止められる方
・「わからないことはわからない」と言いながら一緒に調べられる素直さ
・地域課題を自分ごととして楽しめる方
・茅野市への移住・定住を本気で考えられる方 ・普通自動車運転免許(AT限定含む)
・Word・Excel等の基本操作、インターネット・SNSを活用できる方
・心身ともに健康で、誠実に活動できる方
・地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しない方
・申込時点で20歳以上の方
あれば歓迎する経験やスキル・空き家、移住定住、地域づくりへの関心
・軽作業やDIY、片付けが苦にならない方
・SNS発信、写真撮影、記録が好きな方(発信力があると活動の幅が広がります)
・コミュニティ運営や地域活動の経験 ・宅地建物取引士など不動産関連資格(必須ではありません)  
※不動産の知識もDIYの経験も一切不要です。まったくの未経験からのスタートを歓迎します。
給与月額214,606円/年収310万円程度(国の人事院勧告により変動あり、年1回昇給あり)
諸手当:通勤費相当額、期末勤勉手当(条例・規則による) 社会保険:健康保険・厚生年金・雇用保険 適用
雇用形態・勤務時間雇用形態:第1号会計年度任用職員(地方公務員法第22条の2第1項第1号)
勤務時間:原則 平日8:30~16:30(休憩1時間)
※業務の都合により、土日及び祝日の行事対応や夜間の会議に参加していただくことがあります
休暇:年次有給休暇・療養休暇・特別休暇(条例による)。休日勤務の場合は代替休暇で対応
活動期間:採用日から最長3年間(年度ごとに更新確認、2年目以降の継続は予算状況による)
その他募集人数:1名
採用予定日:令和8年10月1日予定(転居等の状況により応相談)

住居:市営住宅を提供(家賃36,000〜40,000円/月は茅野市負担/活動中に地域の空き家へ転居することも可能)
副業:協力隊活動に支障のない範囲で可(要許可申請)  

【応募から着任までの流れ】
●エントリー前オンライン説明会(希望者)
8月7日(金)20時から

オンライン説明会の参加申込はこちらから
※個別説明希望者には8月7日以降、日程調整のうえオンラインで対応させていただきます。  
①エントリー(締切:令和8年8月20日)
②一次選考(書類選考) 選考結果はメールにてご連絡します
③おためし協力隊(2泊3日) 
※3日目に最終面接を行います。 中大塩地区での活動体験と最終面接を実施します(9月5~7日予定・交通費は自己負担)
④内定・着任 令和8年10月1日着任予定  
「ちょっと気になる…」という段階の方でも大歓迎です!
募集申込こちらからご覧ください
募集者・主催者長野県茅野市(茅野市役所 都市計画課 住宅係)
募集者・主催者の住所〒391-8501 長野県茅野市塚原二丁目6番1号
募集者・主催者の連絡先TEL:0266-72-2101(内線537)
E-mail:toshikeikaku@city.chino.lg.jp

活動の流れ

STEP1 所有者の「動けない理由」を聞いて、一緒に整理する
窓口を訪ねてくる所有者の不安を丁寧に聞き取ります。市内で動いている事業者のサービス内容や費用感の情報を整理して提供できるようになることが、まず最初のゴールです。業者を推奨するのではなく、「こういう選択肢がある」と伝える橋渡し役に徹します。
STEP2 中大塩地区で「実践」を地域に見せる
モデル地区・中大塩(空き家約100件規模)に週3日以上入り込み、自治会・住民と関係を築きます。戸別訪問を通じた実態把握や課題の類型化を進め、「動けない理由」のパターンを地区全体で可視化します。
STEP3 「見た人・聞いた人」が「次の相談者」になっていく
あなたの活動を見た方々が「あのように丁寧に対応してもらえるなら、自分もいつか相談しよう」と思い始めます。その積み重ねが、行政が能動的に発見できなかった新しい空き家の掘り起こしにつながっていきます。
STEP4 地域全体のホットラインをつくる
動き出した所有者が早期に相談できる窓口として「空き家つなぐパートナー」が地域に定着。出前相談会・見学ツアーなどにも参加をつなぎ、茅野市の空き家が自然と流通していく「土壌」が完成します。

ゆるなかカフェなど地域の集まりに顔を出しながら、住民・自治会・所有者との関係を地道に築いていく。それが1年目の仕事の大半です。焦らなくていい。まず「あの人、また来てる」と思われるところから始まります。

3年間のイメージ

1年目2年目3年目
テーマ中大塩に根を張る背中を押し、動かす茅野市全域へ広げる
舞台重点地区:中大塩中大塩→近隣市町村茅野市全域(必要な地区へ)
主な活動週3日以上の地区入り込み/自治会・住民・市内事業者との関係構築/空き家約100件の戸別訪問・実態把握/ゆるなかカフェ等への参加/市内事業者情報のリスト化所有者の意思決定を伴走支援/出前相談会・見学ツアーの実施/中大塩モデルの型化・記録他地区への横展開開始/地域全体のホットライン化/「自然な流通の土壌」を完成/任期後の活動基盤づくり

中大塩地区で積み上げた実績と手法は、2〜3年目に茅野市内の他の必要とされる地区へと横展開していきます。空き家問題の構造はどの地区も似ているため、一つの地区でモデルをつくれれば、次の地区では最初から「見せ方」がわかっている状態でスタートできます。

任期後は、茅野市への定住・空き家関連での起業・関連団体への就職など、3年間で築いた地域との関係を活かした次のキャリアを、一緒に考えていきます。

受け入れ体制とサポート

都市計画課住宅係の担当職員がバックアップします。隊員が「地域に入り込む」ことに集中できるよう、茅野市が実施する空き家補助金等の受付業務や毎月の空き家相談会開催、それに付随する物件調査などの日常業務は職員が主に担います。一人で抱え込む必要はありません。周囲としっかり連携を取り、相談しやすいサポート体制がありますので、未経験の方も安心してきてください。

担当者より(茅野市 都市計画課 住宅係)

空き家問題の根底には、簡単には手放せない所有者の「心理的なハードル」があります。これは、制度や補助金といった仕組みだけでは解決できない部分です。だからこそ、その理由に丁寧に向き合い、時間をかけて所有者の不安を一つひとつ解きほぐしていく、そんな地道なアプローチを大切にしていきたいと考えています。「じっくり腰を据えて、人の心に寄り添う活動がしたい」そんな想いを持った方をお待ちしています。地域のために、私たちと一緒に一歩を踏み出してみませんか。